学会誌  

『日本医学看護学教育学会誌』 第16号 (2007年7月31日発行)

原著 周手術期の胃がん患者の体験による患者教育の方法に関する考察 ―体験学習モデルを視点とした分析から― 大池美也子
原著 看護師長のリーダーシップと実習指導体制との関連に関する研究 ―A県実習指導者講習会受講生の調査結果から― 原田広枝
原著 SP(模擬患者)参加型授業において学生が想い描く患者像の理解 加悦美恵ほか
原著 精神障害者小規模作業所を用いた精神看護実習に関する検討 加藤知可子
原著 自己効力・ニコチン依存度と禁煙行動との関係 西山葉子ほか
原著 若齢看護師、中齢看護師、中齢無職者のWeb情報探索教育法への指導適正の比較 山口有美ほか
原著 糖尿病患者への足浴とフットケア教育により得られる精神的効果の検討 畑野富美ほか
原著 3年次編入学生のPBL教育法とSP活用における学びのプロセス 飯野矢住代ほか
原著 看護師の行う清潔援助の方法と実施頻度および使用用具についての実態 深田美香ほか
原著 看護学生・介護学生が持つケアの視点の特性からみた看護基礎教育の課題 -高齢者事例についてのアセスメント内容及び立案した具体策の分析を通して- 原田秀子ほか
原著 オストメイトとの交流会の学習成果 坊垣友美
原著 英国演劇の医療・看護コミュニケーション教育への活用 ―ShakespeareのThe Tempest(『テンペスト』)を題材として― 廣田麻子

周手術期の胃がん患者の体験による患者教育の方法に関する考察 ―体験学習モデルを視点とした分析から―
Consideration on the Method’s of Patient Education by the Experience of Gastric Cancer Patient with Operation: from Analysis by the View Point of Experiential Learning Model

大池美也子
Miyako Oike

九州大学医学部保健学科
Department of Health Sciences School of Medicine, Kyushu University

概要(Abstract)

慢性疾患の増加や入院期間の短縮化に伴い、病気との共存生活に向けた患者教育の必要性が高まっている。患者教育の本質は患者を主体とした学習支援であるにも関わらず、その大部分は、専門的知識を背景に医療者を中心に行われる傾向にある。そこで、本研究は、手術を受ける胃がん患者の体験を体験学習モデルの視点から分析し、それを手がかりに患者の立場に立つ患者教育の方法を見出すことを目的とする。胃がん患者6名(男性3名、女性3名)を対象に入院から退院までにインタビューを行った。その内容をテーマ的コード化に基づく質的な研究方法により分析した。同モデルの各段階におけるカテゴリーを抽出し、そのカテゴリーから、①自己を生成していく体験過程、②生活を再構築していく体験過程、③健康行動を探求していく体験過程、という3つの体験過程を明らかにした。これらの過程は、探求的な学習の過程であり、患者を主体とした患者教育には、患者の生活上の出来事とそれへの意味づけに注目することが重要であることを考察した。

キーワード(Keywords)

体験学習 Experiential Learning, 患者教育 Patient Education, 胃がん患者 Gastric Cancer Patient, 周手術期 Peripheral Operation

看護師長のリーダーシップと実習指導体制との関連に関する研究 ―A県実習指導者講習会受講生の調査結果から―
A Study of the Interaction between the Leadership of Clinical Chief Nurse and the Educational System for Nursing Practice: Survey on the Instructors who Attended the Lecture Meeting at A Prefecture

原田広枝
Hiroe Harada

九州大学医学部保健学科
Department of Health Sciences, School of Medicine, Kyushu University

概要(Abstract)

看護師長のリーダーシップは、実習指導体制の構築と関連するとした仮説を設定して、実習指導者講習会の受講生に対する質問紙調査の結果からそれを検証した。師長のリーダーシップと指導体制は、Spearmanの順位相関係数検定を行い、次のことが明らかになった。

1. 受講生は所属する看護師長のリーダー性やコミュニケーション能力をおおむね肯定的に評価していた。

2. 約50%~60%の受講生は、看護師学校養成所の教員と実習指導者間に実習指導目標が共有されていると認識していた。しかし、具体的な指導のあり方や指導内容に関する共通理解は十分とはいえなかった。また、教員や実習指導者の特性をいかした組織化は不十分だと認識していた。

3. 師長のリーダー性やコミュニケーション能力が高いほど、両組織メンバーに指導体制への参加協力意識がよみとれた。しかし、実習指導者間や「教員と実習指導者間」における指導目標の明確化および、指導体制の組織化には相関が見られず、師長のリーダーシップは、指導体制内の協力的な雰囲気づくりにとどまる傾向を示した。

キーワード(Keywords)

リーダーシップ、看護師長、実習指導体制
leadership, clinical chief nurse, educational system for nursing practice

SP(模擬患者)参加型授業において学生が想い描く患者像の理解
Comprehending Nursing Students Imagine the Patient on SP (Simulated Patient) Participation Type Studies in Nursing Education

加悦美恵1、河合千恵子2
Mie Kaetsu1, Chieko Kawai2

1久留米大学医学部看護学科、2元久留米大学医学部看護学科
1Kurume University School of Nursing, 2 Kurume University School of Nursing (formerly)

概要(Abstract)

SP参加型授業において、paper patientで想い描く患者像およびSPとの対応を繰り返すことで想い描く患者像について明らかにし、看護の初学者に対するSP参加型授業について検討した。SP参加型授業を看護過程の科目で導入しているA看護大学の学生106名に対して、paper patientでのイメージ、同事例のSPとの対応1日目および2日目のイメージについて自由記述でデータ収集をおこなった。その結果、学生はpaperで得た情報からも患者像を想い描いていたが、SPを観察することでその内容は具体的になっていた。患者のイメージはpaper patientにおいてもSP1,2日目においても患者の『人柄(性格)』と『疾患・治療に対する考え・取組み』が多く、コミュニケーション成立の側面から患者の認識への関心が高かった。paper patientおよびSP1日目までは『仕事や家庭での役割』と『外観』についての記述が多かったが、SPを1、2日目と繰り返す中で『体位・移動動作』に関する記述が増え、2日目には『身体の清潔』と『排泄』に関する記述が増えていた。SPとの対応を繰り返すことで患者の身体の動きや生活の側面へのイメージが具体的になっていったといえる。以上より、初学者にとっては実際の患者と接する臨地実習前にSPとの対応を繰り返し体験することにより、臨地において患者のケアにスムーズに入ることができると考えられた。

精神障害者小規模作業所を用いた精神看護実習に関する検討
A Study of the Psychiatric Nursing Training to using Small-scale Workshops for Mentally Handicapped Persons

加藤知可子
Chikako Kato

兵庫大学
Hyogo University

概要(Abstract)

本研究は、A大学看護学科4回生12名を対象として、精神障害者小規模作業所を用いた精神看護実習を行い、看護学生がどのような内容を学んだかを明らかにすることを目的とした。精神障害者小規模作業所での精神看護実習を8日間行い、実習終了直後に自由記述式質問紙を用いて調査を行ない、これらの発言内容をカテゴリー化した。その結果、社会復帰施設の対象や活動内容および援助内容等、精神障害者の社会復帰を理解するための内容を学習できていた。以上により看護学生が小規模作業所を用いた精神看護実習を通して、社会復帰施設の対象や活動内容および援助内容の理解を深めていることが示唆された。

キーワード(Keywords)

精神障害者、小規模作業所、精神看護実習、看護学生
mentally handicapped persons, small-scale workshops, psychiatric nursing training, nursing students

自己効力・ニコチン依存度と禁煙行動との関係
Relation of Self-Efficacy and Nicotine Dependence to the Action to Quit Smoking

西山葉子1.足立敦子2.内山薫3.鈴木幸子3.森岡郁晴3
Yoko Nishiyama1, Atsuko Adachi2, Kaoru Uchiyama3 Yukiko Suzuki3, Ikuharu Morioka3

1,南和歌山医療センター看護部、2,ベルランド病院看護部、3,和歌山県立医科大学保健看護学部
1Minami Wakayama Medical Center, 2Belland Hospital, 3School of Health and Nursing Science, Wakayama Medical University

概要(Abstract)

The aim of this study was first to clarify the relation of self-efficacy and nicotine dependence to action to quit smoking, and then to use the results of the study for supporting smoking cessation. A questionnaire survey was carried out among 1914 male workers in a company by a self-reporting method.The questionnaire contained 24 items referring to general self-efficacy scale, Fagerstrome Test for Nicotine Dependence, Prochaska' 5 steps to smoking cessation and so on. The characteristics of prevalence rates were examined.The dominant item necessary to quit smoking or the successful factor for smoking cessation was intention. The main cause of smoking cessation was intention, health for oneself and health for family. Self-efficacy was related to neither smoking conditions nor nicotine dependence of the subjects. The smokers showed high nicotine dependence than the subjects named as resmokers who quitted smoking and then resumed the habit. The resmokers group had a high prevalence of preparation stage than the smokers one. A higher prevalence of precontemplation stage and a lower prevalence of preparation stage were obtained in the group of the high self-efficacy than in the one of low self-efficacy. The prevalence of precontemplation stage was higher in the group of high nicotine dependence than in the one of low nicotine dependence. The results in this study show that the relation between self-efficacy and action to quit smoking was low, and that the main successful factor seemed not to be intention as a mental factor. Because the nicotine dependence is also one of the successful factors to quit smoking, physical support is important as well as mental one.

キーワード(Keywords)

自己効力、ニコチン依存、禁煙、意志、支援
self-efficacy, nicotine dependence, quit smoking, intention support

若齢看護師、中齢看護師、中齢無職者のWeb情報探索教育法への指導適正の比較
A Comparison of Tutoring Aptitude of Searching Ability on Web Contents in Computer Works of Young Nurses and Middle-aged Nurses and Job-less Middle-aged Ladies

山口有美1、山口晴久2
Yumi Yamaguchi1, Haruhisa Yamaguchi2

1岡山大学医学部、2岡山大学大学院教育学研究科
1Faculty of Medicine Okayama University, 2Faculty of Education Okayama University

概要(Abstract)

若齢看護師、中齢看護師への情報技術教育改善のための研究として、Web情報操作の指導方法として近年注目されている「探索型指導」を取り上げ、若齢看護師と中齢看護師及びこれらとの比較のため無職の中齢者を被験者とした実験を行い、これら3群の被験者に対するこの指導法の有効性を検証した。コンピューターで情報の検索および入力を行う作業について、「探索型指導」を行った被験者群と「教授型指導」を行った被験者群に、共通のWeb情報探索および情報入力の実験課題を課し、作業時間、正確さ、作業に関する認知、行動を測定することにより各指導方法の有効性を分析した。その結果、若齢者と中齢者の情報探索特性の違い、また中齢者は職業に就いているか就いていないかにより「探索型指導」の有効性が異なり、作業時間およびタスク認知の面からは看護師群には「探索型指導」が、無職群には「教授型指導」がより効果的と考えられることなど、3群の情報処理における本質的な学習認知特性の法則性が解明され、今後の看護情報教育に有用な知見を得ることができた。

キーワード(Keywords)

若齢看護師、中齢看護師、探索型指導、情報探索能力、情報教育

糖尿病患者への足浴とフットケア教育により得られる精神的効果の検討
A Study of Mental Self-efficacy of Footbaths and Instruction on Foot Caring for Diabetics

畑野富美、坂本由希子、鈴木幸子
Fumi Hatano, Yukiko Sakamoto, Yukiko Suzuki

和歌山県立医科大学保健看護学部
Wakayama Medical University School of Health and Nursing Science

概要(Abstract)

本研究の目的は、糖尿病患者への市販の深型フットバス機能を活用した足浴とフットケア教育を行うことによる精神的効果を明らかにし、フットケア継続に向けた教育の示唆を得ることである。A総合病院に入院中の糖尿病患者7人を対象に合計4回の足浴とパンフレットによるフットケア教育実施における初回と最終時の自己効力感を測定した。同時にフットケアに対する意識の変化についてインタビューを行い、併せて分析した。自己効力感測定尺度は、案酸による16項目で構成された自己効力感刺激要因尺度を参考に作成し用いた。下位尺度は【遂行行動の達成】【代理的経験】【言語的説明】【生理的・情動的状態】である。下位尺度別の患者個々の得点変化は、【代理的経験】以外で得点増加を示した。特に変化が著明だった項目は、「一日の足の状態を観察し変化を捉える」と「指導されたフットケアを実際に行った」や「健康的な気分になる」、「自覚症状がよくなる」であった。足浴とフットケア教育に対する感想では爽快感や健康的な気分を感じるとともに、フットケアへの学習意欲を伺わせていた。以上より足浴とフットケア教育は、患者に自覚症状の改善認識と爽快感および健康的な気分を高める精神的効果があったといえる。さらにフットケア継続への意欲と学習意欲・関心へとつながり、フットケア継続に向けた具体的な情報提供と学習への関心や意欲向上につながる教育プログラムの必要性が示唆された。

キーワード(Keywords)

糖尿病、足浴、教育、フットケア、精神的効果
Diabetics, Footbath, Instruction, Foot care, Self-efficacy

3年次編入学生のPBL教育法とSP活用における学びのプロセス
Learning Process in the PBL Program and Simulated Patient for Students Transferring to the Third Year

飯野矢住代1、加悦美恵1、河合千恵子2
Yasuyo Iino1, Mie Kaetsu1, Chikako Kawai2

1久留米大学医学部看護学科、2元久留米大学医学部看護学科
1Kurume University School of Nursing, 2Kurume University School of Nursing (formerly)

概要(Abstract)

編入生の教科目「看護学原論」をPBL教育法とSP活用による学びのプロセスを明らかにする。A看護大学の3年次編入生(以下学生)6名を対象に、科目評価として提出させたレポート内容を質的帰納的方法で分析した結果、10のカテゴリーに分類できた。1)自分たちの学習課題を考え、さらにS氏への看護実践場面から新たな学習課題が見つけられた、2)S氏との看護実践場面で上手くできなかったり、気づかなかったことは、観察、患者に対する受け止め方、物の選択の判断、安全・安楽の確認などがあった、3)S氏やグループメンバーからのフィードバックで具体的に解決の方向を見つけた、4)看護技術を提供する際は、科学的根拠と患者の望ましい姿をイメージし行うことが必要である、5)看護実践は、看護の専門化としての考えと患者の思いの両側面から行う必要がある、6)統合体としての人間理解や個別性について理解を深め、看護の関連を再考した、7)PBLによる自らの変化としては、人間関係、自己学習、問題解決、統合することを意識化できたことである、8)今までの自分の看護の不十分な点に気づいた、9)看護学原論で学んだことを今後に生かしたい、10)PBLは戸惑いから肯定的受け止めに変化した。以上のことから、看護について所定の学習を終えた編入学生にPBL教育法およびSPを活用することは、多領域にわたる知識を統合した問題解決能力や思考能力を高めるのに適した教育方法であったと考える。

キーワード(Keywords)

編入学生、PBL、SP、学び
Students Transferring, Problem Based Learning Program, Simulated Patient, Learning

看護師の行う清潔援助の方法と実施頻度および使用用具についての実態
The Method, Implementation Frequency, and Equipment for Skin Care

深田美香1、松田明子1、南前恵子1、石倉弥生2、笠城典子1、宮脇美保子3、内田宏美4
Mika Fukada1, Akiko Matsuda1, Keiko Minamimae1, Yayoi Ishikura2, Noriko Kasagi1, Mihoko Miyawaki3, Hiromi Uchida4

1鳥取大学医学部保健学科、2島根大学医学部附属病院、3順天堂大学医療看護学部、4島根大学医学部看護学科
1School of Health Sciences, Tottori University, 2Department of Medical Hospital, Shimane Unversity, 3School of Health Care and Nursing, Juntendo University, 4School of Nursing, Shimane University

概要(Abstract)

実際に臨床で行われている清潔援助方法の実態を把握することを目的として、清潔援助の方法および実施頻度やそれに伴う看護師の負担感および清潔援助に用いる用具について調査した。300床以上の総合病院4施設に勤務する看護職639名に調査を依頼し、456名を分析対象とした。調査内容は、①清潔援助の頻度と援助方法の決定の仕方、②清拭方法と使用用具、③清潔援助方法と皮膚の清潔保持についての看護師の認識、④清潔援助の実施に対する看護師の負担感とした。

看護師が日勤時に清潔援助を実施している平均的な患者数は、入浴介助4.02人、シャワー浴介助3.07人、全身清拭6.00人、部分清拭3.72人であった。清拭では蒸しタオルを用いた方法を行っている看護師が最も多かった。石鹸清拭を行う看護師は154名(34.0%)、行わない看護師は299名(66.0%)であった。また、約30%の看護師は清拭により皮膚の清潔を保つことは難しいと考えていた。清潔援助の実施を「たまに負担に感じる」と答えた看護師が224名(49.1%)と最も多数を占めていた。

清潔援助方法の決定には病棟で行われている習慣や業務基準などのシステムに起因する要因が影響していると考えられた。

キーワード(Keywords)

清潔援助、実施頻度、用具、看護師の負担感
hygiene care, frequency of implementation, equipment, nurse’s feeling of being burdened

看護学生・介護学生が持つケアの視点の特性からみた看護基礎教育の課題 -高齢者事例についてのアセスメント内容及び立案した具体策の分析を通して-
A Problem of the Nursing Basic Education Found by Characteristics of a Viewpoint of the Care that Nursing Students/Care Work Students had: An Analysis of Assessments and Care Plans in One Case Involving an Elderly Client

原田秀子1、堤雅恵1、中尾久子2、中谷信江2
Hideko Harada1, Masae Tutumi1, Hisako Nakao2, Nobue Nakatani2

1山口県立大学看護学部、2九州大学医学部保健学科
1School of Nursing, Yamaguchi Prefectural University, 2Department of Health Sciences, School of Medicine, Kyushu University

概要(Abstract)

本研究では、看護師・介護福祉士の養成過程に在学中の学生を対象として、同一の高齢者事例を用いた調査を行った。研究目的は、高齢者事例の中で注目した情報とそれに基づいて設定したケア目標及び立案した具体策の内容から、看護学生・介護学生の視点の特性を明らかにし、看護職と介護職との協働をふまえた看護基礎教育の課題を考えることである。

看護学生70名、介護学生73名を対象とし、事例から抽出した注目情報とケア目標及び具体策について、両者間で比較検討した。看護学生・介護学生の回答では、注目情報、ケア目標、具体策のいずれも差がみられ、特に具体策の内容は、看護学生では「医療重視」、介護学生では「生活重視」の傾向がみられた。そのことから看護・介護の視点の特性として、看護学生からは効果的な治療管理に関わる視点が、介護学生からは心身の機能低下から生きがいを見出せない対象の生活の質を高めていく視点が見出された。看護学生と介護学生の視点の違いは教育課程の違いが影響していることが示唆された。

看護学生・介護学生の視点の特性は、対象の生活の満足を重要視する介護職の専門性と、健康管理、治療管理を重要視する看護職の専門性を反映したものであり、各々の専門性を理解した上で協働のあり方を考えることのできる教育プログラムの工夫が、看護基礎教育の課題である。

キーワード(Keywords)

看護、介護、協働、基礎教育、事例分析
Nursing, care work, collaboration, basic education, analysis of the care

オストメイトとの交流会の学習成果
Learning Achievements of Interchange Society with Ostomates

坊垣友美
Tomomi Bogaki

白鳳女子短期大学
Hakuho Women’s College

概要(Abstract)

本研究の目的は、ストーマ造設者(以下オストメイトとする)との交流による学生の学習成果を明らかにし、その特徴を考察することである。研究対象は3年過程の看護学校の2年生の学生37名である。データはオストメイトの方との交流後の「感じたこと、気づいたこと、思ったこと、学んだこと」が記述されている自由記述内容(質問紙法)である。データの分析はベレルソンの内容分析の手法を用いた。その結果、1.「オストメイトの肯定的イメージと障害者観の芽生え」2.「福祉制度の理解と支援方法の明確化」3.「オストメイトの個性的な心理の理解」4.「オストメイトの生活のしずらさの理解」5.「看護の本質と困難さの理解」6.「看護倫理の感受」7.「生のあり方・自己概念を確立するための志向」8.「学習の動機づけと自己の課題の認識」という特徴をもつ学習成果を獲得していることを示した。

キーワード(Keywords)

ストーマ造設者(オストメイト)、交流会、学習成果、看護学生
ostomates, interchange society, learning achievement, science of nursing students

英国演劇の医療・看護コミュニケーション教育への活用 ―ShakespeareのThe Tempest(『テンペスト』)を題材として―
British Drama for Future Health Care Professionals to Improve Communication Skills: On The Tempest by William Shakespeare

廣田麻子
Asako Hirota

大阪市立大学医学部看護学科
Osaka City University School of Nursing

概要(Abstract)

本論の目的は、医療・看護におけるコミュニケーションのあり方を、英国演劇を通して学ぶことができるのか、具体例を通して考えてみることである。医療・看護の多様な場においてどのようにコミュニケーションをとるか考えるには、現場のいろいろな場を想定し、その場において人とどのようにコミュニケーションをとっていくか考え、教育していくことは確かに重要であろう。しかし一方で、さまざまな人間関係のあり方とコミュニケーションのとり方の例を、虚構の世界に求め、先人の知恵を学んでいこうとする姿勢も重要ではないか。そのような視点から、Shakespeareの『テンペスト』における1.嵐の場における水夫たちのコミュニケーション、2.孤島におけるProsperoの語り、3.空気の妖精Arielの報告、4.奇形の奴隷Calibanの悪態、の4つの状況に注目し、言語的特徴を見出し、コミュニケーションについて考える材料とすることを検討する。

キーワード(Keywords)

看護、コミュニケーション、シェイクスピア、『テンペスト』、言葉
nursing, communication, Shakespeare, The Tempest, language

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学術学会の予定

第28回日本医学看護学教育学会学術学会

平成30年3月3日(土)
サテライトキャンパスひろしま(広島市中区大手町1丁目5-3)

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学術セミナーの予定

第20回日本医学看護学教育学会学術セミナー

平成29年12月2日(土)
島根県立石見高等看護学院 大講義棟(島根県益田市昭和町20番15号)
テーマ:「施設から在宅へ―多職種協働による医療・介護の連携―」

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研修会の予定

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